スライスの原因と治し方



フィッティング中によく聞かれるのが、スライスやフックの治し方。
僕はあくまでもフィッターでティーチングプロではないので、打ち方を教えることはできませんが、
その代わりに、ボールが曲がる原理を説明していきます。
特に長年ドライバーでスライスが治らない方は一度お試しください。




飛球法則について

飛球法則は長い間ゴルフの常識のように、レッスンや雑誌などでも紹介されてきましたが、
近年高性能な弾道測定器やハイスピードカメラによる解析などにより新しい飛球法則が登場。

旧飛球法則

旧飛球法則とは、「ボールの打ちだし方向はスイング軌道で決まり、回転はインパクト時のフェースの向きで決まる」

誰しもが1度が聞いたことがある理論だと思います。
この理論でいうと、 右に打ち出して戻してくるドローを打つためには
「インサイドアウトの軌道でフェースがクローズ」 といったインパクトになります。

新飛球法則

新飛球法則は「ボールの打ちだし方向はインパクト時のフェースの向きによって決まり、 ボールの曲がる度合いはフェースとスイング軌道の関係性で決まる」
「フェースとスイング軌道の関係性」とだけ書くと難しく感じるので、 できる限り分かりやすく解説します。


Dプレーン理論 とは

いきなり出てきた言葉ですが、Dプレーン理論とは新飛球法則の元になる理論です。

アメリカなどでは、 かなり前から言われていた理論ですが日本で言われるようになったのはまだ最近です。 当店でも、2年程前からDプレーン理論を元にフィッテングをしています。


ただ、当店には何百万もする高性能な弾道測定はありませんので、 スカイトラックの数値を見ながら仮説を立て、検証した上でクラブを選んでいます。高性能な弾道測定器があれば数値ですぐ分かるけど、無いので時間は掛かります。 

Dプレーン理論については、 また別の記事で詳しく説明をしますがDプレーンがどんなものなのかを簡単に説明。

Dプレーンとは、インパクトの点からフェイスに対して直角に引いた水色の線と、インパクトの点からスイングプレーン上の接線方向に引いた緑色の線を結んで出来た黄色の三角形の平面です。





ボールが曲がる仕組み

ボールはなぜ曲がるのか


打った球が曲がる話になると、 大体で出てくる言葉として「サイドスピン」という言葉があります。
実際に、当店でもフィッテング際は測定器に合わせて「サイドスピン」という言葉を使って説明していますが、実際にボールが横回転している訳ではありません。

あくまでも、ボールに掛かる回転はバックスピンのみでボールの回転軸(Spin Axis)が左右どちらかに倒れることによってボールは曲がります。


イメージは飛行機が旋回する時に機体を傾けるのと同じです。


回転軸が傾く原因

では、どうなると回転軸が傾きボールが曲がるのか。 やっと本題です。

回転軸は先ほど説明したDプレーンの傾きと同じです。 上の図ではスイング軌道、 フェースの向きが一致していた為、Dプレーンに傾きはありませんでした。

一方下の図では、 スイング軌道に対してフェースがクローズになっていているので黄色の三角形が左側に傾いています。
回転軸が左に傾いているので、ボールは左へ曲がる球筋になります。





とにかくフック回転の球を打つためには、現在右に傾いているDプレーンを左に傾ける必要があります。回転軸がどちらに傾くかはフェイストゥパスという数値によってきまり、
この数値は「インパクト時のスイング軌道に対するフェースの開閉度合い」によって決まります。

つまり、インパクト時にフェースの向きが1度オープン、クラブパスが3度インサイドアウトであれば
1-3=-2 この数値がフェイストゥパスとなります。

そして、フェイストゥパスがマイナスであれば黄色の三角形は左に傾きフック回転に。
プラスであれば、右に傾きスライス回転に。





タイプ別 スライスの治し方

冒頭にも書きましたが、あくまでもティーチングプロではないのでスイングに関して、ここをあーしてこーしては書きません。ただ、理論を理解してもらえればイメージを変えるだけでも球筋は結構変わると思いますので是非一度お試しください。


打ち出しが左 そこからスライス タイプ

このタイプは、インパクト時にフェースがクローズ。 そのフェースの向きに対してクラブ軌道が
アウトサイドイン。
フェースを閉じる動きは出来ている人が多いスイングなので、最初は少し極端にクラブを外に出すイメージに変えてみる。



打ち出しが右 そこからスライス タイプ

このタイプは、インパクト時にフェースがオープン。そのフェースの向きに対してクラブ軌道が
アウトサイドイン。
いつもよりインサイドアウトで振るイメージでいいのですが、フェースを閉じる動きが身に付いていないとプッシュアウトになる傾向が。
その時は、しっかりとフェースを閉じる動きを身に付けるところから始めましょう。


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